教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
-翌日、昼休み-


あたしと陸と凛はテストの話で持ちきりだった。


「水香、陸。一番良かった教科は?」


あたしがまず答える。


「えっと…情報が98点」


次に陸。


「私は古典。90点」


「2人ともすごいね」


「そう言っている凛は?」


「数学が95点」


「数学?文系なのにそんなに出来るとは…」


陸は感心している。


2人の会話を聞いているうちに、あたしはなんとなく胸騒ぎを感じていた。


しかし、何もないうちに昼休みも、5時間目と6時間目も終わり、掃除の時間になった。


トイレ掃除をてきぱきと進めていつもより早く終わらせる。


掃除が終わって教室に行くと、こちらの掃除は終わっていなかったので廊下で待っていた。


まだ胸騒ぎはおさまらない。


凛と話していると、いつかの取り巻きの1人が友達と騒いでいるのが目についた。


確か「放課後に湊典様をなぐさめる」とか言い出した人だ。


例の取り巻きは友達に小さな声で言った。


「実は私…この前…」


「きゃああっ!マジ!?」


友達の声は聞こえたが、取り巻きの声はよく聞き取れなかった。


しかし、隣にいた凛は表情をさっと曇らせる。


「凛?」


「あいつ…月山、あり得ない。最悪」


凛は例の取り巻き、月山さんをにらんだ。


「えっ?」


「「この前…放課後、教育実習生の控え室に行った時、森田先生にキスしちゃったのよ」って言ってたわよ」


うそ…!
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