教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第十楽章 決断
-月曜日-


「おはよう、水香っ!」


教室に入ると、凛が朝からさわやかスマイル付きで話しかけてきた。


「…おはよう、凛」


「水香、元気ないね。どうしたの?」


「なんでもないよ」


そんなのウソ。


なんでもないわけがない。


頭の中は先生のことばかり。


先生と何も考えずに、ずっと一緒にいたい。


だけどもう耐えられない。


こんな思いをしてしまうなら、いっそのこと出会わなければよかったのに。


そうだよ。


先生に出会わなかったら知らずに済んだのよ。


こんなにも胸の奥まで、まるで焼かれているかのごとく熱くなるような思い…。


ああ、そうか。


付き合っててこんなにつらいなら、別れちゃえばいいんだ。


別れてしまったら、先生を手をつなぐことも、キスすることも、隣にいることも許されないのだから。
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