コンプレックス*ラヴァー



「……はっ?」


数秒間の沈黙の後。


「えぇっ?」


ようやく事を理解したらしい、カズヤの声が響いた。


「何、それ?どーいうことっ?」


血相を変えて詰め寄ってくるカズヤに、


「俺にもよくわかんない」


明確な説明なんてできるはずがない。

俺自身、よくわかっていないんだから。



「“アイツに”じゃなくて“新ちゃんに”告ったってこと?」


「……みたい?」


「間違いじゃなくて?
ホラ、前にあったじゃん?“名前が似てたから間違えちゃいましたー”みたいのがっ」



……うっ。確かに。

よく覚えてるなぁ。



「その子の間違いでも、新ちゃんの聞き間違いでもなくて、本当に告白されたってこと?」


念を押すように俺を見つめる瞳は真剣だ。

勢いに負けそうになりつつも、俺は黙って頷いた。


……それで合ってるんだよな?



「うっわー。それって大事件じゃん!」

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