隣に住んでいるのは先生で……。



「いってきます………」



いつもより重い足取りで玄関からゆっくりエレベーターまで歩いていた。



エレベーターの前に来た瞬間………



「おはよう」



不意に後ろから愛しい声がした。



そして………



ふわっと誰かに抱きしめられた。






振り返らなくても、誰かが分かってしまう………。


抱きしめられた時に少し香った匂いと背中に感じる温かさに今、抱きしめられていることを改めて実感した………。



「おはようございます、先生………///」



私は後ろから抱きしめられたまま、挨拶をした。



今、振り返ったら………



私の顔が紅潮しているのがばれてしまうから……。


私は紅潮した顔を隠すために俯いていた。



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