隣に住んでいるのは先生で……。



「綾子、綾子!」



遠くで直くんの声が聞こえる。



でも、その声も次第に薄れていった。



でも、意識を手放す前に、三人で仲良く手を繋いで遊んでいる姿が浮かんだ。



とってもみんな優しい笑顔で笑ってる。



事故に遭う前に、こんなことを思っていたんだ………。



幼い時の私は………。



あ………この映像どこかで見たことある。



お母さんがよく見せてくれた写真と同じ。



じゃあ………あの男の子が先生なんだ………。



私………こんなにも、先生と笑い合える仲だったんだ………。



もう一度、この時に戻りたいよ………。






それから、私は命に別状はないが、事故の後遺症で記憶を無くした。



それも一部の記憶を無くした。



直くんと事故の記憶。



そして、私の初恋だった直くんを守った変わりに彼との思い出が私の中から消えた。



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