や っ ぱ り 、 好 き 。

『大学卒業して

働くことわかってたよね?

それでも、まだ学生のわたしと

付き合うって決めたのは

透だよね?

別れようとしなかったのも

透だよね?』


我慢していた涙が溢れた。

透の腕を抜け出して

ベッドから立ち上がった。


『わたしだって

わかって欲しかった!

忙しいのはわかってたし

邪魔しないようにと思って

いろんなこと我慢してた!』

「深久、ごめん。」

『謝ってなんかいらない!

来ないでよ!』


立ち上がって

わたしのそばに来ようとした

透を大声で止める。


『わかろうとしてたよ……

わかってあげられたらいいなと

思ってたよ……

でも、記念日ぐらいは

わがまま言ってもいいかな

って思った……』


それがダメだったんだよね。

バカだなぁ……わたし。



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