処体験ガール(shotaiken girl)vol.5
1章  aS if iN a dREam

side 花美


<side 花美>


ふわ……


……って、耳にやさしく吐息がかかったから、



「……ママ?」



そう思って、目を開けた。



「ママじゃねぇよ?」


「ぅっわぁああっ!?」



後ろから抱きしめられてることに気付いて、慌てて首を反らせて振り向くと、


ペロ。


「!?」


そのまま目頭を舐められた。

目の前に佐々くんのどアップ!!



かぁあああ~っ……!!



一気に顔が熱くなる。



「あはは、すっげぇ真っ赤。超カワイイな」



目を細めて優しく笑う。

その表情に、胸が、


――ギュウッ……


って、締め付けられる。


死んじゃうんじゃないかって思うほど、本当に心臓が痛くなって、

なのに、全然イヤじゃなくって……

こんな甘い痛みがあるなんて、佐々くんに会うまで知らなかった。


――スキ……


こんなふうに、

どうしようもなく溢れるキモチが、私の中にあるなんて、

……知らなかったの。



「……ホント、スゲーかわいい、花美」


――ドクんっ……!!


耳まで熱くなるのが分かる。


どおしよう……

うれしくって、

幸せすぎて、

また涙が出ちゃいそうになって、

だから、慌てて佐々くんから視線を逸らした。

……と、その先に、

クリームイエローの漆喰の壁が、私の目に飛び込んできた。



「……」



そう……なのデス。

ここは、以前にも来たことがある、佐々くん家が借りてるっていうホテルの一室。


ふわふわのキングサイズのベッド。

シルクコットンのシーツにくるまりながら、ハダカで抱き合って……


私ってば、

いったい、何やってんのぉおお~~っ!?


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