全部、私からだった。
「多恵、なぁ、頼むよ。もう二度としない。俺、ほんと、どうかしてたんだって」


「許さないから、絶対に。大っ嫌い。酷いよ、あんなのレイプじゃない。私を物みたいに扱って。

大っ嫌い、大っ嫌い、大っ嫌い!」


怒鳴り散らした勢いに乗って、全速力で服を着た。



着終えるのを見計らったように、りっくんが私に視線を寄越す。



「多恵……」

切なげに名を呼びながら、私の方へと腕を伸ばす。


「触らないで、気持ち悪い」

すかさず冷ややかな言葉でそれを制した。


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