monopolize
――‥‥
―――………



『今日も、ウチ来いよ』



大学内で、すれ違い様に耳元で囁かれた言葉。

隣には、女が居た。

すごく綺麗な人…。



「行くのやめよっかな?」



ムカつくじゃん…。

堂々と女連れて歩いて、どーせあの人とも…――。



「あたしなんかいらないじゃん…」



悔しくて、あたしばっか龍二の事好きで、この関係を続けてる自分が惨めに思えた。



「どーしたら、あたしの事見てくれるの?」



どーしたら、あたしを好きになってくれるの?



龍二、教えてょ…。



外に出たあたしは、ベンチに座りボーッとしていた。



『麗奈?』



ふと名前を呼ばれ顔を上げると、恭汰が心配そうな顔であたしを見ている。

中山 恭汰(なかやま きょうた)

タメで同じサークルメンバー。

もちろん、龍二とも…。



「どーしたの?こんなトコで…」

『それは、こっちのセリフ』



“何か、泣きそうな顔してんじゃん?”そう付け加えると、隣に腰を下ろした。


 
< 3 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop