青空バスケ

体育館を出て一人で歩いた。

グラウンドからは元気な声が聞こえてくる。


……俺にとっては全てがどうでもよかった。


「……大和?」


後ろから声をかけられた。

落ち着く、優しい声。


「……栞奈」


多分職員室にいる顧問とでも話をしてきたんだろう。

あの顧問は滅多にこっちに顔を出さないから。


……こんな情けない姿、見られたくなかった。

……だけど、誰かに……誰かに今の俺を支えてもらいたかった。


「……どうしたの?」


部活が始まって間もない時間。

こんな時間に部長が外でウロついてるなんて、おかしいだろう。

……谷先輩や引退していった先輩達に顔向けできない。

こんなの……去年じゃあり得なかった。


「……疲れた」


たった一言。

伝わるかも分からない一言。

だけど栞奈は……


「……そっか」


そう言っただけで、それ以上何も聞いてこなかった。

……栞奈は分かってたのかもしれない。

全部……俺が思ってたことを。


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