tearless【連載中】
『それだけで、名前呼ぶ仲になる?』



明らかに疑いの眼差し。

仲って言われても普通の先輩、後輩だし。



「本当にそれだけ」

『…そーゆう事にしとく』



まだ納得してない感じだけど、とりあえずおさまって良かった。

ホッと胸をなで下ろすと、ちょうどチャイムが鳴り先生が入ってきた。



いつもと変わらない教室。

いつもと変わらない先生の話。

いつもと変わらない生徒達の話し声。



何1つ変わって無いのに、何となく違って見えるのは気のせいかな…。



「真っ青…」



雲一つない綺麗なスカイブルーに染まる空をボーッと眺めながら、いつの間にか授業の時間になっていた。



『…だから、こうなる。分からない奴いるか?』



数学の意味の分からない公式を黒板に並べ、説明する先生。

額にはうっすらと汗が滲んでいる。



「マジ暑い」



まだ窓に日は射し込んでないものの、熱気が体を包み込んでいる。

今日は気温高くなるって言ってたしな…。

まだ夏本番でも無いのに、今からこれじゃ先が思いやられる。

独りボヤいてると、結衣が“化粧崩れるしね”って溜息。



「確かに…」



2人で話していると“そこ、問題解けたのか?”と先生からの嫌みな発言。

鬱陶しく思いながらも仕方なくシャーペンを手に持ち、机に向かった。


 
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