誘惑男子①~アブノーマルに抱きしめて~


「彩があたしへの感謝の気持を日々忘れないためにも…

あたしの分も弁当を毎日作ってくる…ってのは、どう?」



「…はぁ?」



「彩の手作り弁当を噛みしめながら三ヶ月間、あたしはムクムク起こってくる良からぬ欲望を日々いましめるわ」



「はぁ~?!?!」





おかげで、こうして毎朝30分早起きして、理香と二人分の弁当を作る羽目になってしまった。



追い込んだつもりが、いつの間にか追い込まれてる。



学校の成績だけを気にして、のほほんと生きてきた彩が、タイマン張って日々しのぎを削ってきた理香にかなうわけがないのだ。



喧嘩上等――



五つも年下の理香から、彩はまた一つ人生を学ぶ。





< 18 / 116 >

この作品をシェア

pagetop