笑わない女と俺
夜、文化祭もクライマックスを迎える。

校庭の中央にはキャンプファイヤー。

そして、その炎を囲み始まるのはフォークダンス。

各々が好きな相手を誘って参加する。

まあ、俺はそういう相手はいないのだけれど、何となく隣の奴に聞いてみる気になった。
「山月、折角だし踊るか…」

昼間、屋上で引き起こしたように俺はエミを引き起こした。

「や……、いや…」

「お前さ、前に何があったか知らないけど今を楽しまないのは損だと思うよ…」

「なにを………」

エミが、少しだけ戸惑った表情に見えたのは俺だけだったのか。

「高校生活は二度と来ないんだからさ…」

本当は俺が楽しみたかっただけかもしれない。

明日が来れば消えてしまう。

そんな小さな希望でも。

「………」

こいつの表情を少しでも変えられた事は大きな事だと思ったんだ。
今日だけは。
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