ブラック王子に狙われて①



「絢?行かなくていいの?」

「……ダメ………だろうね」

「だったら、ほら!彼が怒る前に行かないと」

「へ?……怒る?」

「そう。“来るのが遅ーい!!”って、怒るかも?」

「ぎゃっ!ゆず、また明日。バイバイ!」

「頑張ってぇ~」



笑顔で手を振るゆずを背に、

私は猛ダッシュで1Bの教室へ。



っ!!

もう、HR終わってんじゃん!!

ヤバッ。


ドアの隙間から教室をそっと覗き込む。



?????


………いない。



もしかして、遅いから怒って帰っちゃったとか!?


どどどどどど、どうしよう!!




< 12 / 150 >

この作品をシェア

pagetop