苺より甘いトマト
もし これが 三つ子の姉たちだったら、
違う様相を呈していたに違いない。

弟なら、拗ねれば良いだけなのだ。

「お兄ちゃんでしょ!」といわれ続けてきた
俊夫にとっては 率先して 三つ子に合わせることが
一番の得策だったに違いない。

実は 女の子がやらされる事の
何をやっても
一番 筋が良いのが
俊夫の自慢だった。

そりゃ、パパもママも
最初のうちは
柔道をやらしたり、
戦車や飛行機も
買い与えた。
しかし、どれもこれも
あまり興味を示さなかった。

ひょっとしたら、
俊夫には
三つ子の生まれる前から、
その予感があったのかもしれない。

< 2 / 9 >

この作品をシェア

pagetop