出会う前のキミに逢いたくて

奇妙な朝

朝の訪れを知らせたのはスマホのアラームではなく一枚の木の葉だった。

口の中にとてつもない違和感を覚え、その原因を確かめようと夢うつつのままその異物を取り除くと、指先にへばりついたのだ。

違和感のもとが葉っぱだと認識した瞬間、あらためて口の中に言葉では表しにくい苦味が広がって、二日酔いの気持ち悪さとあいまって容赦なくオエーとなる。

なかなかお目にかかれないような、世界屈指の最悪な目覚め。

だけど、人間とはよくできたもので、時間の経過とともに眠けが遠のき、平常心を取り戻し始める。

やがて覚醒の度合いが増し、自分がどこにいるのかを理解することができた。

なぜか公園のベンチに寝そべっていた。

でも・・・なんでオレ、こんなとこで寝てるんだっけ?

何度記憶を辿りなおしてみても、ベンチで寝てることが解せなかった。

昨晩、かなりの量の酒を飲んだとはいえ、ちゃんと自分の部屋で眠りについたはずだった。

クッションを枕代わりにして、絨毯に寝そべったはず。

それなのに、なんで公園のベンチ?

さて、以前にもここへ来たことはあっただろうか。
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