蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】




絢乃ははぁと肩をすくめた。

純也には彼女がいるという噂だが・・・この陰鬱で皮肉げな男のどこがいいのか、正直絢乃にはわからない。

ちなみに絢乃は大学2年の時に付き合っていた彼氏と別れて以来、彼氏いない歴6年になる。

そして目下、それを更新中だ。


「データベースのチューニングを頼まれちゃった。そんなにレスポンス悪いのかな?」

「レスポンス、ですか。・・・まぁ確かに、この頃異様に唸ってましたからね、あのデータベース」


何でもないことのようにさらっと純也は言う。

純也はハード担当ではあるが、データベースやシステム運用についてもそれなりに詳しい。

絢乃ははぁぁぁと大きなため息をつき、キッと純也を見た。


「あのさ、黒杉くん。気付いてたなら言ってよ・・・」

「僕の仕事じゃありませんから。火の粉が降ってきたら払いますけど」

「・・・」


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