蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】





春美は呆れたように言う。

ちなみに『第一』というのは第一開発課のことだ。

春美の言葉に、純也はその黒縁眼鏡の奥でクッと笑い、口を開いた。


「イヤですよ。なんであんな、マゾの集団に入らなければならないんですか」

「・・・」

「それなら、ここで先輩たちの面倒を見ていた方がいい」


純也の言葉に、春美と絢乃はあんぐりと口を開けた。

─── 一体何なんだ、コイツは。

と思っている間に、純也はスタスタと部屋を出て行く。

パタン、と音を立てて閉じたドアを、春美と絢乃は呆気にとられた顔で見つめていた・・・。



< 23 / 438 >

この作品をシェア

pagetop