蜜愛シンドローム ~ 陥溺の罠 ~【完】




絢乃はあんぐりと口を開けた。

・・・それは、一般的にデートというやつだろうか。

しかしこんな、脅迫されたも同然のデートって・・・。

卓海はこれまで、絢乃のことを道具だのおもちゃだのと言っていた。

ということは、これも遊びの一環だろう。

・・・卓海にとっては。

『オレの女になれ』は、『オレの奴隷になれ』と同義のような気もする。

しかし・・・とはいっても・・・。

『オレの女になれ』ってことは・・・あまり考えたくはないが、『そういう関係』も含まれるのだろうか。

とビクビクしながら卓海を見た絢乃に、卓海はうっすらと笑う。


『お前が何を期待しているのか知らないが。欲求不満なら他を当たれ』

『・・・は、はああっ!!?』

『おれはお前にそういう遊びは期待してない。・・・ま、お前が泣いて縋るなら考えなくもないけどな?』



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