夏の日差しと狼のいろ。


ふ、っとツキは目を覚ました。


どうやら結局寝てしまったようだ。昨日のことを思い出すと恥ずかしい。


(私…なんてことっ…!?)


一人赤面しつつ、くるりと寝返りをうった。



「え」


ツキがそんなうめき声をあげたのは振り向くとびっくりすることがあったから。


…ウルーが昨日のまま動いていない。

あの固まったまま。



ツキは恥ずかしさを忘れてきょとんとした。



 (え…ええっ!?)

ツキは少し焦った。こんなことになるなんて。
ウルーは寝ていないことになる。自分は寝たのに。


「ウ、ウルー?大丈夫?」

ツキはウルーの頬をおそるおそる

つっきつつ、声をかけた。


するとウルーがびくっ、と動いた。


驚いた表情でこっちを見ている。



またツキは気恥ずかしくなって頬が染まるのをかんじた。

でも目を逸らさなかった。そしてニコッと…というか上手く笑えずニヘっとなった
が笑って、



「大丈夫?」と聞いた。
< 65 / 376 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop