*冷やし中華はじめました*




「よ~し、全員席着いたか~?」




そう大きな声で話すのは、担任らしき先生。背が高くて若い、そして鼻筋の通った、所謂イケメンと言われる部類の、大人の男性だ。



女子生徒がその担任を見てそわそわとする中、黒板にチョークで、リズミカルに自分の名前を書いた。



“本郷 透”
(ほんごうとおる)



「今日から宜しく~。好きに呼んでいいから。んじゃこれから入学式の説明すんぞ~。」



この人が担任かぁ~。
意外に軽い―――?
何を教えてるんだろ…



―――――ツンツン…



ん?ツンツン?



肩の辺りを、ツンツンと指先で刺激され、あたしはこっそり後ろを見た。



「あの子から、回って来たよ。」



そう言われて、今日初めて会ったクラスメートから、小さく折り畳んだ手紙を受け取った。



聞かなくてもわかる。
みっちゃんからだ…




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