神様修行はじめます! 其の二
「天内のお嬢様、失礼致します」


不意に声を掛けられて、ハッと背筋を伸ばした。


執事さんが、見事に綺麗な姿勢で縁側に立っていた。


・・・・・。


野菜やら果物やらが、軒からブラ下がって干されてる。


そんな干し物のカーテンの横に、燕尾服姿の執事・・・。


ものっすごいミスマッチ。


しかもこれが、目の覚めるような美青年なだけに、なんとも・・・。


「お隣、失礼してもよろしいでしょうか?」

「あ、は、はいっ。どうぞっ」


執事さんは、うやうやしく一礼した。

あたしの横に正座をする。

そして・・・


広げた紙の上で、野菜のスジをむき始めた・・・。


執事さんは、もくもくとスジをむき続ける。


その見事な手際を、しばらく感嘆して見ていたけれど・・・。


・・・場が、もたない。

会話がないと、どうも辛い。


「あ、あのぉ~~・・・」

「はい、天内のお嬢様」

「あの、えぇっと・・・」

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