神様修行はじめます! 其の二
両手を再び、扉に向かって伸ばす。


指先に全神経を集中する。


祠の光が不規則に点滅し始めた。


振動も、いまにも止まってしまいそう。


やっぱり、いきなり作動させるには無理があったんだ。


本当に、この一回が最後のチャンスだ。


ゆっくりゆっくり、扉を開く。


そーっと、そーっと・・・。


大丈夫、きっと大丈夫。

大丈・・・


― ガタンッ ―


また崩れる音に、ヒッと息を呑む。


体中の血が冷えた。全身が縮む思い。


あぁ、もうこれ以上崩れたら祠がもたない!

もう一切の余裕が無い!


指先がカタカタ震える。


震える指を伸ばし、また、あたしは扉を開ける。


緊張で泣きそう。怖い。


呼吸すらも止めて、細心の注意を払い、開いていく。


お願い、崩れないで。お願い・・・。

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