神様修行はじめます! 其の二
ここは、深い山の中。

木々の生い茂る真っ暗な夜の山道。


絹糸に指示された通りに、自転車を爆走させていたら・・・


いつの間にか、知らない山道に入り込んでしまっていた。


本当に『いつの間にか』ってカンジ。



だって普通に、いつもの通学路付近を走ってたんだよ。


こんなデカイ山なんて、この辺じゃ見た事も聞いたことも無い。


街の中に、山なんてあるわけないじゃん。そもそも。


なのにあたしは今、無いはずの山の中にいる。


誰も知らない山が存在してるなんて・・・。



「そんな場所は、あちこちにあるぞ」


「でも、存在してるのに誰も知らないって、なんで?」


「決められた道順を、決められた速度で歩かねば、たどり着けぬのじゃよ」



あ~!それでか!

歩きながら、やたらと


「右に行け」だの「左に行け」だの


「ゆっくり後ろに下がれ」だの「しゃがみ込め」だの言ってたのは!

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