神様修行はじめます! 其の二
門川は変わらなきゃならないんだ。

長い年月の中で、何かが歪んでしまった形を。

澱んだ部分の流れを変えなきゃ!


「天内さん、わたくしは自分を押し通しますわ」

お岩さんは、キリリと引き締まった表情で言った。


「夫になる人物が、わたくしを愛していないのなら、そんな結婚は願い下げですわ」

「お岩さん・・・」

「たとえ上層部が何と言おうと、その結婚を拒絶します」

「・・・うんっ」

「わたくしにだってそれくらいのプライドはありますわ」


そうだよ、あるんだよ。

受け入れるか受け入れないか、自分で決める権利くらいあるんだよ。

当然の権利だよ。


「それに対して文句があるなら・・・」

「自分が結婚しろっての!」

「その通り!」


あたし達は顔を見合わせて笑った。



門川を変える。

それはあたしが言い出した事。

でもそれは、あたしひとりの考えじゃなかった。


それを胸に秘めている人が、ここにもいた。

ちゃんといたんだ。
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