神様修行はじめます! 其の二
あたしは、ぐいっと涙を拭いて顔を上げた。


彼をぶん殴るためにも、この牢から早く出さなきゃ!


「この鉄柵、ほんとジャマね! どうやって開けるの!?」


鉄柵に両手をかけ、ガシガシ揺さぶった。

ビクともしない。


ちっ! 古ぼけてるクセに、やたら頑丈ね!


端から端まで見たけれど、カギらしきものも何もないし。

扉すらもない。


・・・いったいどうやって中に入れたのよ!?


「しま子、これ壊せない?」

「うあ~あ~」

「とっくに試してみたのであろう」

「・・・そっか」

「この牢屋ならば、門川最強の結界がかけられておるはずじゃ」


最強の結界、か・・・。


聖域の洞窟の結界も、ものすごい結界だった。


門川君でさえ歯が立たなかった。


あんな結界が張られてるのなら、あたしじゃ太刀打ちできない。

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