双子総長
第一章

・双子

「行ってきまーす」

「あ、待ってお兄ちゃん」

「気をつけてね~」


午前8時、私たちはお母さんに見送られながら家を出る。


「待ってってお兄ちゃん!」

「なんで?」

「なんでって…」


お兄ちゃんは私に冷たい。


お父さん似でカッコいいお兄ちゃん。
私と双子だけど…

容姿はまったく違う。


お兄ちゃんはモテる。
いつも違う女の人と歩いているのをよく見る。


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