幸福感
美味しそうなプリンをよっつ買って、スタジオへの階段を上がる。
あ、ハルに連絡しなきゃ。
携帯見れるのかな?電話してみよ。
「もしもし!」
「あ、ハル出た。いまスタジオの階段のとこにいるんだけど」
「おーじゃあ今出るわ。とりあえずフロントまで来て~」
電話を切る。
ああ、会えるの嬉しいけど、なんだか緊張してきちゃった。
メンバーに迷惑かかってないかな。なんで女連れ込むんだよテメー、ってならないかな。
重たい扉を開け、とりあえずフロントのソファに座る。
「紗恵」
「ハル!」
横にハルがいた。懐かしい笑顔!
「まじ久しぶり。みんな会いたがってるよ、奥の部屋、行こ」
ナチュラルにわたしの手をとって歩くハル。
一ヶ月くらい会ってなかったのか。ああ、愛おしいな。この大きな手。
「みんなお待たせ~」
二重になってる扉を開けると、三人が一斉にこちらに振り返る。
「うおっ紗恵ちゃんだ!」
「また可愛くなったね!!」
「せ……制服……!」
みんな相変わらず優しいな。
相変わらずかっこいいし。
「あんまジロジロ見てんじゃねーぞ。」
「あ、プリン買って来ましたよ」
「まじ!?あー疲れたし休憩にしようぜ~」
そうしようぜ~とみんな楽器を置き、椅子に座る。
「ここ飲食だめじゃね」
「プリンだしこぼさなきゃ良いよ」
わたしの分も買えば良かったな、みんな美味しそうに食べるね。
すると、ギターのユウトくんがわたしに向かって
「紗恵ちゃん、あ~ん」
と一口、プリンを差し出して来た
えっ、いいのかな、とチラッとハルに視線をやると、恐ろしく笑顔のハルがいた。
「ユウトくんってそんな人だったんだね」
機嫌を損ねてはいけない!と思いわたしは、ユウトくんのスプーンを奪い、ハルに食べさせた。
「…!」
みるみるうちに笑顔になるハル。単純すぎ。
ご機嫌になったハルは、わたしにもプリンを食べさせてくれた。
「えへへおいしい」
「だろ~プリンだもの~」
「きみら見てると彼女欲しくなるなあ」
ドラムのタクミくん。
「タクミくん、髪切りましたね」
一ヶ月前はもじゃもじゃだったのに。あごくらいになってる。
「夏の思い出が詰まってたから辛くって切っちゃった」
「タクミ女子みたい」
ああ、ghostと居ると楽しいな。
わたし、いつまで居ていいんだろ。