幸せになろう
第12話浄化……そして幸せの予感
 慎一のマイナスエネルギーの浄化が決まった天上界では、準備が進められていた。
力のある天使達が大勢集められ、エレーナとさやかも加わっていた。
「エレーナ、さやか、二人に話があります」
二人は、イザベラ幹部の部屋に呼ばれた。
「貴方達二人を浄化作業から外します」
エレーナ「そんな、どうしてですか?」
さやか「私達にもやらせて下さい」
突然作業から外され、戸惑う二人。
「貴方達には、別の仕事を与えます」
エレーナ「別な仕事ですか?」
イザべラ幹部は、少し間を置いてこう言った。
「確かに浄化作業は、すごく大切な仕事です。でも、貴方達にはもっと重要な仕事を与えます」
さやか「もっと重要な仕事?」
「慎一のこれからのためです」
どうやら、イザべラ幹部は何か考えがあるようだ。

慎一の自宅の前に続々と天使達が集まってきた。百人はいようか。
以前、ジェシーが天使達を率いて来た時よりはるかに多い。
それだけ慎一のマイナスエネルギーが巨大なのだ。
慎一は、天使達と同時仮契約をした。
そして、マイナスエネルギーの浄化を強く願った。
「皆さん、これから浄化を始めます。
これは、すごく重要な任務です。全世界と宮原慎一の未来がかかっています」
イザべラ幹部の合図のもと、天使達によるマイナスエネルギーの浄化作業が始まった。
皆、一斉に慎一の方に手をかざし、天使の力を使い始めた。
だが、そこにエレーナとさやかの姿はない。
「エレーナと姉さんは?」
慎一はエレーナ達を探した。
「あの二人には、別の仕事を言いつけてあります。浄化作業が終わる頃に戻って来るでしょう」
「そうか」
イザべラ幹部の言いつけと分かり納得する慎一。
浄化作業は、困難を極めた。
慎一のマイナスエネルギーは、あまりにも巨大化しすぎて、そう簡単に浄化出来るようなもの
ではなかった。
時間が経つにつれて、天使達の消耗も激しくなってきた。
そのうち、1人、2人と力を使い果たし、座り込む天使達が出てきた。
中には、倒れこむ者もいた。
マイナスエネルギーは、慎一が思っていたよりもはるかに強大だ。
「イザベラ幹部、あの天使達はどうしちゃったんだ?」
「皆さん、決して無理をしてはなりません。疲れた者達は、天上界に帰って休んで構いません」
イザべラ幹部は、天使達を気遣う。
疲れた天使達と交代するために、援軍が派遣されてきた。
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