花火よりも側にいて



12/08/18 10:05
To西田先輩
 おはよ!
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一週間後の××祭り、
一緒に行ける?
でも塾で忙しいかな(>_<。)?

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    -END-



散々迷って長い文を考えた挙げ句、結局は削った場所が多く、何とも簡素なメール文になってしまった。


土曜日の朝、10時。


どちらかというと、既に昼に近い時間だ。この時間帯なら迷惑にはならないだろうと思い、思い切って送信ボタンを押す。




(西田先輩、今年受験生で塾もあるし……この頃あんまりデートしてないなぁ)


〝……送信中……送信完了〟


その文字を見届けた有里(ゆり)は、胸に携帯電話を抱いてベッドに横たわる。今日、西田先輩は塾が無かった――はずだ。


確信が無い自分に愕然とする。


以前ならメールが来ていたはずなのに、近頃は全く来ない。ふと思い出してみれば、近頃メールが来たのはいつだったか。


(あれ……先輩といつ話したっけ。
あれ、あれ!?)

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