猫と宝石トリロジー①サファイアの真実

「そうか、だから綾乃の絵が欲しいのね、絢士に近づいた目的は本当に絵だったとは恐れ入った」

なんのこと?
どうしてそうなるの?

「何を…お、お話がよくわかりません」

「悪いけど帰っておくれ!」

みゆきはカウンターから出てくると、美桜のコートを押し付けるように渡して腕をつかんで椅子から立たせた。

「待ってください!私にはなんの事か……」

「絢士の気持ちを変えようとまでは思ってないから安心しな」

「それはどういう……」

一体お母様は何を言っているの?!

「でも私は反対だ。私から絢士には何も話さないけど、あんたは金輪際ここに…、私の前には現れないでちょうだい!」

「そんな……」

こんなの受け入れられない!
まさかと思うけど、いまどき家柄とか馬鹿げた事を言うのは零華伯母さま一人でたくさんよ!

「待ってください!私がASO の人間だからですか?!」

美桜を見るみゆきの瞳は嫌悪そのもので、心がグサッとえぐられた。

「違うよ」

「えっ?」

「あんたがあの女の娘だからさ」

「あの女?」

「麻生椿妃だよ」

予想外の答えに美桜はびっくりして腰が抜けて、その場にストンっと座り込んでしまった


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