猫と宝石トリロジー①サファイアの真実

「お二人ともまだまだお若いんですから」

「そうね。でも確実に時は流れているのよ、そして運命には逆らえない」

え?いま運命って言った?

「志津果さん?」
 
「話があってわざわざ私に会いに来たのでしょう?
酔っぱらう前に始めましょう」

敵わないな。
こういう所が仕事ができる所以なのかも。

「えっと……」

「何を知りたいのか当ててみましょうか?」

「え?」

「ふふっ。そう、絵。あの絵でしょう?猫の絵の事を知りたいのよね」

「どうしてそれっ!」

「さてさて。美桜ちゃんはどこまで知ってはるばる来たのかしら?」

「志津果さん?!」

新しくオーダーしたカクテルがくるのを待ってから、
志津果は話を始めた。

「あなたも椿妃と一緒であの絵が好きだったから、いつかこんな日が来るだろうなって心のどこかで覚悟していたわ」

「あのっ!」

勢い込んで立ち上がった美桜だけど、志津果の瞳を見てストンっと椅子に座り直した。

「すみません……」

まさかこんな風に言われると予想してなかったので、
何をどう話そうか頭の中がごちゃごちゃになっている。

「いいのよ、思った事、何でも聞きなさい」

何でもって……
聞きたいことは色々あるけれど……

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