約束の恋

「恋愛に興味がないわけじゃないでしょ?」

「...そんなことないよ。」

咲智は知っている。

約束のこと。

心に君がいること。

蒼には言えなかったけど、咲智には言ってある。

「その人のこと気にしてるから”興味ない”なんて言ったんでしょ。」

「・・・。」

「今は夏だし。約束の日はまだ先でしょ?」

「覚えてないよ。」

あたしはそう言った。

「すぐ意地張る!希望の悪い癖だよぉ!」

「あたしは、咲智みたいにがむしゃらに進めないから。」

それだけ言い切った。

「そんなことより早く帰ろ!おばさん、心配するよ。」

あたしはそのまま歩いた。

簡単に言えば、逃げたんだ。

これ以上、何かを聞かれることが怖くて。

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