RUBY EYE
電車はゆっくり速度を落とし、駅に到着した。
降り立った駅は小さくて、どこか寂しい雰囲気がある。
「えっと、おばあちゃんの家は・・・・・・」
地図を送ってくれたのは嬉しいのだけど、この辺りの土地勘はないので、よくわからない。
「とりあえず、高台にあるみたいだけど」
見上げた先には、レトロな洋館。
山の緑と赤い屋根が、まるで物語に出てくるような、そんな印象を受けた。
「あれ、かな?」
自信はないけど、高台にあるし、一応、行ってみよう。
月野がそう決めた時、一瞬、妙な違和感を覚えた。
(何・・・・・・?)
形容しがたい感覚は、すぐに消えて無くなったけど、初めて感じたその感覚。
「・・・・・・」
なんだか、心臓がやけに早く脈打つ。
「何か探してるの?」
「っ!」
背後から急に聞こえた声に、月野は慌てて振り返る。