RUBY EYE
手枷に鎖とは悪趣味だ。
頭痛は間もなく消え去り、十夜は外へ視線を向けた。
「・・・・・・今は何時だ? それに、ここは―――」
甘い香りが、部屋に流れ込む。
扉を見れば、笑顔の摩耶がいた。
「摩耶・・・・・・」
花嫁を思わせる白い服の裾をなびかせて、摩耶は十夜に歩み寄る。
「静貴が出したのか?」
「伊織よ。静貴は用があるから、って」
摩耶は微笑み、十夜の額に優しくキスを落とす。
「許してね? 十夜を逃がさないためなの」
鎖を見つめる目は、悲しさを秘めている。
だが、すぐにいつもの笑顔に戻った。
「静貴は何をするつもりなんだ?」
「さぁ、知らないわ」
摩耶にとって、静貴の行動など眼中にない。
彼には感謝しているが、摩耶は自分の目的が果たせれば、彼が何をしようとも気にならない。
「でも、私と約束をしてくれたわ」
「約束?」