エレーナ再びそれぞれの想い
 名陵学園由乃学生寮
エレーナがさやかを連れて戻って来た。
「エレーナさん、今までどこへ行っていたんですか?」
プリシラが駆け寄って来た。
「そちらの人は?」
「紹介します。こちらは天上界の私の友人、宮原さやかさんです。
さやかさんもシュウ君の力になってくれるそうです」
そう言ってエレーナは、さやかにシュウを引き合わせた。
「僕の力にですか?」
さやかは静かにうなずき、
「初めまして。白川シュウ君」
と声を掛けた。
「いろいろと大変だったそうね」
シュウは、さやかをぼんやりと見つめたまま、自分からは何も喋らなかった。
さやかが話し掛けたことにだけ応じた。
シュウはこの時、不思議な気持ちになっていた。
初対面のはずなのに、初めて会った気がしない。
昔、どこかで逢っていたような気がしてならないのだ。
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