エレーナ再びそれぞれの想い
 「シュウ君、これから私達と共に旅行に行きませんか?」
「旅行ですか?」
突然のエレーナの誘いにきょとんとするシュウ。
「ええ、私達はこれから貴方を、とってもすばらしい場所へご案内します」
「旅行って、いったいどこへ行くんですか?」
「とにかくすごく良い場所です。それは着いてからのお楽しみです」
エレーナは最高の笑顔を振りまいた。
エレーナ達は、あまり乗り気じゃないシュウを半ば強引に連れ出した。

 そしてたどり着いた場所は、何と天上界。
人間界にはないような、色とりどりの鮮やかな景色が広がる。
それは色とりどりといえども、落ち着いた優しい色調の風景だ。
丘には果汁園があり、見た事がない果物が生っている。
天使達の業務用施設、住居、そして来客用の宿泊施設などが立ち並ぶ。
宿泊施設は、寝殿造りを現代風にアレンジしたような物だ。
「うわー、すごくきれい」
シュウは辺りを見渡した。
「エレーナさん、ここ、どこなんですか?」
「ここは、私達の古里、天上界です」
さやかは、シュウを温泉に案内した。
「まずは天上界自慢の温泉にでも入って、ゆっくりと休んで」
シュウは、言われるがままゆっくりと湯につかりくつろいだ。
風呂を上がると、今度は大広間に招かれた。
そこには、イザベラ・エレガンス幹部が、待ちかまえていた。
「ようこそ、天上界へ。貴方が白川シュウね。
しばらくの間、思う存分くつろいでいって」
シュウは最高のもてなしを受け、他の天使達とも交流、大いにくつろいだ。
崩壊の危機にあるなんてまるで嘘のように、天上界は驚くほど平穏だ。
こうして、シュウの天上界での穏やかな日々は、過ぎて行った。
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