エレーナ再びそれぞれの想い
真紀はどんどん腕を上げ、なつみを守れるまでに成長した。
そんなひたむきな姿に柚原家は、真紀をなつみの護衛として住み込みで雇い厚遇した。
さらに、真紀の母親も同居することを許した。
柚原家は、真紀に家宝である護身刀を預け、なつみの身の安全を託した。
だから、このふたりの結束力は誰よりも硬い。
主従の関係にも似ている。 
 
 真紀は、跳び箱を運んでおいてとまなみに言いつけた。
そして、まなみが体育倉庫に入ったのを見計らって、倉庫の扉を閉め、封印の札を貼った。
さらに真紀の合図でなつみの手下達が、大急ぎで倉庫の外壁にくまなく札を貼った。
倉庫の屋根にはすでに札が貼られている。
もはや、まなみは出られない。
「白川は、市川さんを探して必ずここに来る。それを狙う」
なつみ達は、シュウが来るのを待った。
 
 夕方、まなみが寮に帰って来ない事に気づいたシュウ。
「市川さんが寮に帰って来ないんだ」
まなみを心配するシュウはエレーナに相談。
「きっと、まだ学校にいるのでは?」
エレーナは寮の廊下の窓から校舎の方に目をやる。
「でも教室で別れてからずいぶんとたつし、今日は市川さん、掃除当番じゃないから早く帰っているはずですよ」
シュウはしばらく落ち着かない様子だったが、
「やっぱり僕、もう一度校舎を見てきます」
「待って、私とプリシラさんも念のため、一緒に行きます」
シュウとエレーナ、そしてプリシラは校舎に様子を見に行った。
教室の戸を静かに開け、中に入った。
「市川さん」
シュウが呼びかけてみる。
「おかしいですね。教室には誰もいませんよ」
エレーナは辺りを見渡した。
「外にも誰もいないみたいです」
プリシラは、カーテンを開け窓の下を見下ろした。
「みんなで、手分けして探しませんか?
僕はこれから外に出て、校舎の周りを探します」
「じゃあ、私は飛んで上から探しますね」
「私は校舎内を」
シュウは校舎の周辺やグラウンドを、エレーナは学校の上空を飛び、プリシラは
まだ調べていない教室を探し始めた。

 「市川さん」 
シュウが体育倉庫の近づいた。
「来たわよ」
なつみ達が、物陰に隠れて近づいて来るシュウの様子を伺っている。
体育倉庫の中はまだ、誰も確認していない。
「市川さん、どこにいるんですか?」
シュウが声を張り上げる。
「白川君、ここよ。私をここから出して」
< 54 / 202 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop