【中編】ビケトリシリーズ【エターナル・フレンズ】 ~出逢いと始まり~
そう思った瞬間、光と同化しつつあった意識と身体が物凄い力で空間からはじき出された。

意識がどんどんはっきりして記憶が戻ってくる。

光に溶け、存在すら忘れそうになっていた自分の手をぎゅっと握り、食い込む爪の痛みにその確かな感触を確認する。

自分がまだ生きてここに在る事を確信し、思い切り手を伸ばすと、二人が同時に僕の手を握り現実へと引き上げてくれるのがわかった。

意識が光と色の洪水のトンネルを抜け、その先の出口へと凄いスピードで引き寄せられていく。

目を閉じてもわかる。

このトンネルの先、あの出口を抜けたところに二人が待っている。


響、龍也。心配かけてごめん…。


今、還るから…。




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