スイーツな関係
腰も重く、このままベッドで
眠っていたいくらい。


手に置かれた遥人の手をきゅっと握ると聞いてくる。


「大丈夫?」

「うん」

「本当に? 不安そうに見えるんだけど?」

「……さよならしたくないって思っただけ……」

「そんなに嬉しいことを言うと、
どこかへ閉じ込めたくなる」

「えっ?」


遥人はフッと笑う。


「……私もそう思う」


2人きりでいられたら何もいらない。


タクシーはマンションの前に停まった。


「明日、電話するよ」

「うん。遥人、仕事が終わったら、気をつけて帰ってね」

私はタクシーから下りると見えなくなるまで見送った。


< 245 / 512 >

この作品をシェア

pagetop