スイーツな関係

「麗香さん、失礼ですがその方と将来の約束はしていますか？」
「え……」


将来の約束……私達は始まったばかり、約束なんて何もない。


「約束していないんですね」


顔にはっきり出てしまっていたのだろう。

八木社長は笑みを深めて強く言った。


「でも、彼のことしか考えられないんです」
「……私のことはこれっぽっちも考えられないと？」


そうだ。というのは簡単だけれど、ここは仕事の絡みもある。


「これっぽっちだなんて……。ステキな人だと思っています」
「よかった……と単純に思えればいいのでしょうね」
「え……」
「私はバツイチですし、若い麗香さんには退屈な男かもしれません。ですが、経験を積んでいるだけあって、あなたの言葉を素直に受け取れないんです」