スイーツな関係
すっかり酔いが醒めていた私は悲劇のヒロインよろしく、いつの間にか部屋に戻っていた。なんてことはなく、心が冷たいまましっかりした足取りでタクシーを拾い、自宅マンションまで戻ってきた。


バッグをソファに放り投げ、ドサッと腰を下ろす。


遥人は最初、私に諦めさせようと冷たかった。
それはわかっている。
だから、ボロアパートのことも仕方なかったのだと思う。
私は強引に遥人にアプローチしていたのだから。
お金持ちの甘やかされた娘だと思われていたのも知っている。


『もっと前に話すべきだったよ。愛し合う前に……』


遥人の言葉が私の心臓をえぐるように突き刺す。


愛し合う前に話してくれていたら、状況は変わっていた？
……きっと変わっていないはず。


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