スイーツな関係
「お母様、いったい……いつ?」
「昨日よ」


私が驚いているのを楽しんでいるような顔で、腕を伸ばしハグをする。


今日の香水は……甘い香り。
懐かしい香りに、離婚前の幸せな家庭団欒光景がふと脳裏をよぎる。
この香りはお母様のお気に入りだった。


私から身体を離した母はソファに優雅な所作で腰掛ける。


「お仕事がんばっているみたいね? 貴方なら出来ると思っていたわ」


肩甲骨までの緩やかに巻かれた髪をそっと振り払う母は隣に並べば、顔が似ているので姉のようだといつも言われる。
確か43歳になったばかりだけれど、肌は見事に手入れされ30代に見える。


「尚人(なおと)は元気?」


何の用で日本へ戻って来たのか気になるけれど、まずは愛する弟から。

< 437 / 512 >

この作品をシェア

pagetop