スイーツな関係
「会いたいって、今どこ? もしかして日本にいるの?」


まさか日本にいるわけないと思った。
声の調子は遠いニューヨークにいるせいだと。
だけど……。


『……うん。新宿のホテルにいる。会えるかな?』


新宿ぅ!?


突然の帰国、亜希の沈んだ様子。


「いろいろ訳ありみたいね。わかった。これからすぐに行くわ」


電話を切った私は心がざわめき、亜希が心配で飛び出すように家を出ると、駅でタクシーに乗り込み、新宿のホテル名を告げた。


******


なぜ突然帰って来て新宿のホテルにいるのか。
なんで紫藤家じゃないの?


亜希に告げられた部屋番号をノックした。
ドアが開くまでもどかしくて、いらいらとドアスコープを見つめていた。


ドアを開け顔を見せた亜希は一言で言うとやつれていた。


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