俺も岩原だけでなく、仲間として付いていった社自党藤井派の人間たちの気持ちがよく分からない。


 政治の世界も一寸先は闇だ。


 その闇の中に俺もいる。


 先は全く見えない。


 連日永田町では解散風が吹き始めていて、いつ衆議院が解散されるか分からなかった。


 ただ、どちらにしても来年二〇一三年には衆議院議員の任期が満了となり、解散される。


 川浪がそこまで内閣を持たせるかが分からない。


 もちろん岩原は首長連合とも協力することに前向きなようだ。


 おそらく毎日のように昼や夜などに会食するのは子分作りのためだろう。


 この男が手下を養うのに金を惜しまないのは有名な話だ。


 俺もそういった永田町裏話は耳にタコができるぐらい聞いている。


 いつでも悪役の中心には岩原がいた。
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