藤井を送迎するという。


 午後二時過ぎに藤井が店を出て、車へと戻ってきた。


「おう、待たせたな。俺も腹いっぱい飯食ったし」


「これからのご予定は?」


「永田町の事務所へと戻ってくれ。石松と話をすることがある」


 案の定そうだった。


「分かりました」


 頷き、車を出す。


 銀座から目的地まで、そう距離はなかった。


 俺もいろいろと気に掛かる。


 安定しない今後の事が。


 それにいずれ社自党に復党する藤井のことも念頭にあって。
< 297 / 328 >

この作品をシェア

pagetop