政治家にとって時間は金と同じだ。


 特に岩原ぐらいの国会議員となると、重鎮なので尚更である。


 長年この世界にいると、カラーに染まるのだ。


 政治という物一つを取ったとしても、執着心などは相当ある。


 俺も政治家の運転手役として、この手の人間たちをたくさん見てきていたので知っていた。


 表の綺麗なところから、裏側の筋の部分まで。


 そしてアクセルを踏み続け、車を走らせて、永田町の憲政記念館前に横付けした。


「すまんな。これから待っててくれ。小一時間で終わる」


 岩原はそう言い、議場へと歩き始める。


 気に掛かることばかりだった。


 何せ政治家の運転手はきついからだ。


 心身ともに疲れ果ててしまう。
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