あなたは私を愛してる。
ガチャッ。

ドアを開けるとなんかいつもと違う彼を見てちょっときょとんとしてしまった。

「目は覚めてるか?」

そんなあたしをまだ寝ぼけていると思ったのか、そう聞いたあと、あたしのほっぺを優しくつねってきた。

「なんで今日そんなお洒落なの?」

短髪をツンツンさせて、いつもは仕事用のスーツのクセに、今日はジーンズにブランドもののTシャツ、ネックレスにピアスまでつけている。

「ただの私服だろ、早く行くぞ」

ちょっと顔を赤らめた彼はそそくさと行ってしまった。

「えっ、ちょ、待ってよっ」

あたしは急いで靴を履いて玄関の鍵をかけて彼の後を追った。
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