死蜂
「あと探していないといえば…」

恭平が暗がりを見つめる。

目の前に広がる、木々の生い茂った林。

昼間にはあんなに涼しげに見えた木陰も、夜になれば不気味に口を開けて侵入者を待ち受ける闇の領域に他ならない。

現地人の男性が何事か訴えている。

「探すなら朝が来るのを待った方がいいって…夜中に林に入るのは、蜂に襲われる危険があるからって…」

美晴が通訳して仲間達に説明する。

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