死蜂
信じられない光景だった。

葵が。

さっきまで共に語らっていた葵が、ホラー映画で見られる歩く死体のような醜い姿となって、死蜂を従えて襲い掛かってくる。

「嘘でしょ…」

愕然としたまま、美晴は動けない。

目の前の光景が信じられないのか、足が竦んで動けないのか。

どちらにせよ。

「みんな逃げろっっっ!」

恭平が、叫び声でその金縛りを解いたのはいい判断だった。

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